こんにちは。ADHD持ちのちりみです。
私は12年間アパレル企業に携わってきました。
接客・事務を経験した中で、できなかったことが沢山あります。
それらの経験談、解決策を紹介していきたいと思います!
ちなみに、会社勤めの間は1度もADHDであることは公表していませんでした。
「公表したら何か迷惑がかかるんじゃないか?」
「公表したら仕事ができないことの言い訳に聞こえるんじゃないか?」
といろいろ考えてしまって相談できずに10年もの間働いていました。
まだ世間にADHDという存在があまり知られていなかった時代です。
そんな私の悩みながら働いた経験談です。
同じ方がきっといるはず…。大丈夫、ここにも仲間がいます(笑)
これから働く人にも参考になると思います!
ADHDの私ができない事務作業
いつも期限に間に合わない
どんな業界にも仕事には期限がついています。
アパレルであれば、いつまでにサンプルを提出しないといけないだとか、
シフト作成や、在庫管理の資料チェック、売上の資料作成などもあります。
期限が同じ日の作業もあるので、ADHDの私の頭の中は考えているようで考えがぐちゃぐちゃ。
順序も立てられないので、最終的に1つも期限に間に合わない…という事がよくありました。
いつも周りが気になり作業が手につかない
私の役職は店長だったので、常に店舗勤務でした。
PC作業も店舗で必ずやっていましたが、これがADHDの私にとって難しい。
PC作業に集中したいのに、お店の状況や他のことが気になって全く手につきませんでした。
おまけに店舗のBGMさえ気になり、メール1通送るのも時間が掛かっていました。
シフトを作るなどの予定組みが苦手
いろんなスタッフの予定や、研修等の日程調整を考えながら作らなければいけない、シフト作り。本当に毎回時間がかかっていました。
一度にいろんな事を考えながらやる作業はADHDにとってパニックです。
やることリストを作成してもリストを書いたことを忘れる
自分の作業が遅れれば、その分、他の人の作業が遅れることは企業ではよくあります。
それを十分承知していながらも、できない自分にイライラすることもありました。
なので期限日までに、作業を終わらせることができるよう、たくさん試行錯誤してきました。
よく企業で新人社員に教える手段として、やることを箇条書きにして、やる順番に番号をふるというやり方があります。なぜ、そのやり方が新人に効果的なのかは、新人は指示待ちだからです。
作業1つ1つがまだ理解できていないので、自分オリジナルの順序が立てられない。すると必然的に指示待ちになります。
コツを掴めるまでの訓練として、使える指導方法です。
ですが、ADHDは順序を立てる、順序通りに物事を進めるのが苦手です。
また、大切なものを忘れる特徴もあります。やることを箇条書きにリストアップしても、そのメモすら忘れてしまうのです。
私のデスクには、一時同じようなメモがいろんなところに張られていることもありました(^^;)
ADHDの私のできない事務作業<解決策>
- カレンダーに書き込み、後輩に作業を割り振る
- 自分しかできない作業は家に帰って静かな環境でやる
- お喋り好きを生かしてスタッフとコミュニケーションをと取る
作業依頼が来たら、やらなきゃ!という意識の前に、期限日だけチェックしてカレンダーに書き込むようにしました。
あとは自分以外でもできる作業は全て、自分以外のスタッフへ割り振りました。
するといろんな作業が同時進行に進み、期限に間に合うようになりました。
しかも、スタッフのスキルがどんどん上がり、仕事を任せてもらえるのでモチベーションまで上がったのです。
最終的には、常勤スタッフが全員頼もしい店長のようでした。
また、私は作業を順序よくすることは苦手でしたが、スタッフと喋ることは大好きでした。なので、その強みを生かし、常にコミュニケーションを取りました。作業の割り振りをしやすい環境を意識的に作って、苦手部分をみんなにカバーしてもらいました。
『人に頼ること』を知れば、ADHDでたくさんの障害があっても店長は務まることを知りました。
ADHDの私ができない接客業
レジ対応とお金の計算は一緒にできない
レジ対応って、あの短い時間の中に、たくさんの作業が組み込まれているんです。
タグ切って、商品バーコードを読み込んで金額確認して、商品たたんで、袋に入れて、精算して、おつり渡して、ポイントカードにポイントつけて…
その間お客様が退屈しないように、お喋りしながら作業する。
そこで、金銭授受と商品受け渡しにひとつでもミスがあれば、一瞬で信頼を失ってしまう…とても大事な作業なんです。
この作業をしながら、喋りながら、お金の計算をする、これは10年やっても新人と同じくらいできませんでした。
喋るのは好きなのに、自分の話は極端に苦手
私は人の話を聞くのが、本当に好きです。
接客は、定員さんが喋っているイメージかもしれませんが、お客様に喋っていただいて好みを聞いたり、ほしいものを聞いて提案するのが本来の仕事です。
基本は、「聞く」がメインのお仕事です。
なので、とても接客が好きだったんですが、時折、不意に「自分について」興味を持ってくれる方もいます。
そんな時、急に自分について質問をされると極端に言葉に詰まってしまいます。
お客様の名前が全く覚えられない
接客業には、致命的かもしれません。
顔は完璧に覚えているのに、名前が覚えられないんです。
毎日来てくださる方や、自分の顧客様であっても覚えられません。
興味がすごくある人でも覚えることができませんでした。
ADHDの私ができない接客業<解決策>
- レジは得意な人に担当してもらう
- 話が詰まっても、名前が出なくても「笑顔」と「挨拶」ははっきりと
- 接客はお客様に喋ってもらうがメイン
なんだ、そんなことか。
と思うことかもしれませんが、これを徹底すれば誰も傷つかず、ミスもなく、お客様に気持ちよくお買い物がしていただけるのです。
本当は大切に接客したお客様を、レジまで対応し見送りたい。
ですが、レジミスでお客様の時間を奪い、信頼を失うより、よっぽど良いです。
あとは「挨拶」はしっかり目を見て言う事。
こんにちは。と目を見て言えるだけで、お客様は「自分が覚えててもらえた!」と気が付くはずです。
「仕事ができない人」と言われてしまいがちなADHD
一般常識、仕事でできて当たり前といわれるようなことが、苦手な大人のADHD。
その事で、今まで「なんでできないの?」と言われたり、
「自分だけなんでできないのだろう?」と悩むこともありました。
それは、自分も声に出して助けを求めていなかったせいで、
周りにも気づいてもらえないことが原因だったかもしれません。
でも、できない事を「できない」という勇気ってなかなか出せないもの。
そんな時は、少し視点を変えて、どんなふうにしたら誰も嫌な気分にせず、解決できるのか解決策が出てくるはずです。
解決策が見つからない場合は、自分のコミュニケーションが取りやすい上司に相談してみたり、他人を頼ることを知ることです。
その先、自分にとって心地のいい環境だと思えば、苦手なことを公表し、どう助けてほしいのか周りに言っておくと、1番手っ取り早く働きやすい環境が整うと思います。
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